アフガニスタンは内戦とそれに続くアメリカなどによる攻撃が一応終結していますが地方では爆弾テロ、武装集団による襲撃や誘拐、米軍と武装集団の戦闘が頻発しています。カブールでも我々の出発直前に爆弾テロがあり外国人ジャーナリストが死亡するという事件があったり、決して安全な状況ではありません。70年代カブールはカトマンズ、インドのゴアと並びヒッピーの3大聖地として知られていた魅力的な街でした。今は戦闘で破壊された建物や砲弾の痕がいたるところにあり、米軍をはじめとした武装した外国軍隊の車がひっきりなしに走る荒廃した街になっていました。街から見えるヒンドゥークシュの白い山並みだけは昔から変わらずにあるのだという感慨をおぼえました。
取材は難民キャンプ、麻薬中毒者のリハビリ施設、再開した火力発電所、タリバン崩壊後に復活した女子学生など多岐にわたりました。貧困、GDPの40パーセント以上にのぼる麻薬、180万人の帰還難民・・・アフガニスタンの復興は遅々としています。
休日、郊外の湖にでかけると草原に憩う人々がいました。花を摘む子供達とそれを暖かく見守る若い夫婦、料理を作りトランプに興じる男達。平和でおだやかな光景がそこにはありました。人々の希望,願いを垣間見た気がしました。
2006年 毛利立夫